彩りゆたかな白い森

飯豊連峰と朝日連峰にはさまれ
ひろいひろいブナの森に囲まれた町山形県小国町。

冬になると、
そこはしんしんと降りつもる雪があたり一面を埋め尽くす
寒さきびしい白い森。

夏になると、
そこは白い木肌のブナが涼しげに佇む白い森。

彩りゆたかな白い森
彩りゆたかな白い森

この2つの白を引き立てるのが
濃く、淡く、ピンク色に咲き乱れる石楠花
エメラルドグリーンにきらめく川
赤やオレンジに染め尽くされた紅葉のパノラマ
黄金色にかがやく大銀杏

ほかにも数えきれないくらいたくさんの
色。色。色。

どこまでも澄んだ空気のなか
白いキャンバスと天然の絵の具がつくりだす
絵画のような絶景は
いまどんな表情をしているでしょうか。

小国町は、飯豊・朝日両連峰に抱かれ、737.56平方キロメートルという広大な町土を有しています。
その約90パーセントには、ブナなどを中心とした広葉樹の森が広がっており、
美しい四季のうつろいを見せてくれます。
また、全国有数の豪雪地帯であり、降り積もった雪が多様な生命を育む源泉となっています。
この、町を象徴する二つの素材であるブナと雪から共通してイメージできる「白」をキーワードに、
町全体を“白い森”と表現しています。

  • 白い森とは
  • 白い森とは
  • 白い森とは
白い森

ロゴマークの「白い森」の文字は、豊かな恵みをもたらしてくれる清らかな雪解け水の“しずく“でかたどられています。シンボルマークの部分は、その“しずく“が6つ集まって雪の結晶をかたどり、その雪の結晶が3つ集まることで森をイメージしています。
小国町の人々が集まって1つになろう、というメッセージが込められています。

小国町とは?

白い森とは

小国町は、山形県の西南端にあって新潟県との県境に位置し、両県の県庁所在地である山形市と新潟市のほぼ中間地点(それぞれ約80キロメートル)にあります。磐梯朝日国立公園に属する、朝日連峰、飯豊連峰という雄大な山並みに抱かれ、町全体を包み込むようにブナをはじめとした落葉広葉樹の森が広がっています。
ブナの森は、木の実、山菜、きのこ、渓流にすむイワナなど、山の幸、川の幸をはぐくみ、この豊かな自然空間の中には、たくさんの動物たちが生息しています。小国の人々は、この恵み豊かな森の中で暮らし、森とのかかわりからはぐくまれた独特の生活文化である「ぶな文化」を築きあげてきました。
また小国町は、典型的な日本海側気候の影響を受け、夏は雨が多く、冬には全国有数の豪雪地帯となります。積雪は町中心部でも2メートルを下らず、山間集落では5メートルに及ぶ所もあります。たくさん降る雨や雪は、小国の土地に豊富な水を蓄え、森林をはじめ、そこに生息する多くの動植物の生命を育み、私たちに多くの恵みをもたらす大切な水資源です。その豊富な水資源により、昭和初期に水力発電所が建設されて大手企業の工場が立地し、以来小国町は山村には珍しい第二次産業を中心とする産業構造となっています。

  • 飯豊連峰

    飯豊連峰

    標高2,105mの飯豊山を主峰とする飯豊連峰は、深く険しい尾根と穏やかな稜線を持つ登山家憧れの山です。
  • 朝日連峰

    朝日連峰

    磐梯朝日国立公園を代表する朝日連峰は、山形県と新潟県境にあり、 標高1,870mの大朝日岳を主峰とする南北60kmにわたる山岳地帯です。 豊富な高山植物やブナの原生林などの原始的景観が登山客の人気を呼んでいます。

「ぶな文化」とは?

小国町とは

ブナは樹皮の模様が美しく、まだ雪の残るうちに新芽を芽吹かせる逞しい樹木です。小国町の広大な町土の約95パーセントには、このブナを中心とした広葉樹の森が広がっています。
ブナの森は、クリやトチの実をはじめとする豊富な木の実を実らせ、ゼンマイやワラビなどの山菜、なめこや舞茸などのきのこ、渓流に住むイワナなど、山の幸、川の幸をはぐくんでいます。さらに、ブナの森は、雨や雪解け水を蓄え、その水が川となって流域一帯を潤しているため緑のダムとも呼ばれています。
人々は太古から、この豊かな森の中で、狩猟採集の生活を営み、森とともに生きる生活の知恵を身につけ、季節に対する感受性や自然と一体となって暮らす特有の自然観をはぐくんできました。こうして長い時間をかけて、森とのかかわりによって培われてきた独特の生活文化を、小国では「ぶな文化」と呼んでいます。

「マタギ文化」とは?

小国町とは

飯豊・朝日連峰のふもとには、ツキノワグマやウサギなどの獣を捕ったり、山菜や木の実を採ったりして暮らしていたマタギの集落が点在しています。生活する上で山と深くかかわってきたマタギたちは、山を敬い大切にする心を山の神への信仰という形で表し、狩猟の際には特有の山言葉を使い忌み言葉を避けるなど、厳しい山の戒律を堅く守りながら暮らしてきました。また、子連れのクマを撃つことを禁じたり、狩猟の期間を限定することは、山に生きる人々の自らの暮らしを守る生活の知恵であり、後世まで豊かな自然環境を残していくためのルールでもありました。これらの独特の風習が、厳しい自然と共生していくために長い年月をかけてつくられてきた「マタギ文化」であり、今でも大切に受け継がれています。